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Razer 米国株市場に重複上場を検討 株価への影響と中間決算解説

Razer(レイザー:HK.01337)は8月26日に、同社CEOのインタビュー内で、米国株式市場への重複上場(二次上場)を社内で検討していることを明らかにしました。

この記事では、最新のRazerのビジネス変化を読み解いていこうと思います。内容は以下のとおりです。

  • Razerの重複上場
  • ビジネスの軌道変更
  • 2021年中間決算
  • 株価評価

「多くの人が今注目している銘柄ではなく、自分の視点で次のビッグトレンドを観測し予兆を掴む」それが当ブログの趣旨です。しっかりついてきてくださいね。

では行きます!

Razerの重複上場

これまで当ブログではRazerの目覚ましい業績と市場の成長可能性について2度にわたって解説してきました。

Razer|eスポーツ市場拡大でビッグトレンド化!ネオンカラーで世界征服Razer社について製品紹介や業績分析などを通じて徹底解説しました。...
Razer|2020年本決算 すべての期待を上回る収益で黒字化達成Razerの2020年度の本決算が発表されたので、徹底解説します。...

また生放送でも、彼らの商品の品質と信頼性、顧客満足度について幾度と伝えてきました。

そして今回、Razerは、いよいよ米国株式市場への上場を検討しているというのです。CNBCのインタビュー内でミンリャン・タンCEOが明らかにしました。

米国への上場については、「現時点で正式に発表することはないが、実際に検討している真っ最中」と彼は言っています。

たしかに、今までRazerが米国へ上場していないことの方が疑問でした。Razerは、米国で設立され、米国に本社がある企業で、売上の40%以上を米国が占めているのですからね。

上場に関する詳しい話はまだできないようでしたが、彼らが米国に上場するメリットは十分にあります。彼らは黒字化まで達成させ金融事業に進出するほど大きな野望を持っているので実現可能性は高いでしょう。

今は、監査法人や主幹事などを探しながら準備に移ろうとしているのだと思います。Razerは既に香港へ上場しているので、時価総額など重複上場の要件や審査項目は違うにせよ、彼らは上場までの流れは十分理解しているはずで、動きはそこまで遅くはないと思います。上場まで大体1年半~2年くらいでしょうか。今後の情報を待ちましょう。

米国への上場がなかったとしても、Razerは無借金で沢山のキャッシュを保有しているだけでなく、香港の株式市場で資金調達することも可能です。それによって研究開発費やM&A、マーケティング費用として活用できるので、現時点で環境は整っています。

そのため、今後注目するべき他の視点として、ビジネス環境の変化を見ていく必要があります。

ビジネスの変化

昨今、新型コロナウイルスの影響で、世界のビジネスが大きく変化し、完全に元の状態には戻らず、不可逆な現象が起きると予想できます。

Razerもウイルスによって機能性N95マスク『Razer Zephyr』を開発し、前期本決算では脱炭素の目標を掲げました。

そして、ミレニアル世代・Z世代向けの商業銀行の計画がありましたが、シンガポールの銀行ライセンスを取得できなかったので、直近ではBtoBに注力することにしました。しかし、CNBCのインタビューの中で、彼はグローバルなデジタル銀行の計画に引き続き注力すると発言しています。彼が見ているところはBtoBの先にあるBtoCの商業銀行の実現です。ちなみに法人は既に設立されています。

さらに、今後、企業間でRazerが発行する『Razer Gold』で取引ができる経済圏を作っていくことにも期待できます。忘れてはいけませんよ、Razerはただのゲーミング企業ではありません。既に決済企業でもありますからね。

Raze Goldは、暗号通貨ではなく、あくまで『仮想クレジット』という形で展開します。その呼び方に長い時間をかけ区別をしてきたそうです。その理由は、暗号通貨は様々な規制に従わなければならないからです。そのため、暗号通貨には関心はあるけれど、その分野で行動を起こすつもりはないと言っています。

ブロックチェーンは今すぐ展開することもできるそうですが、技術をもう少し時間をかけて理解する必要があるそうです。

このようにRazerはとても柔軟性のある会社です。変化に強い会社は強いです。CEOは法律にも詳しいため、上手に立ち回ることができます。

次にそのようなRazerの強い経営体質がどのように業績に影響を与えているかを確認するため、中間決算を見てみましょう。

Razerの2021年中間決算

2021年8月25日、Razerが中間決算の発表をしました。結果を一言でいうと「素晴らしい」に尽きます。以前に前期の本決算を解説したので今回はいくつかの重要な数字だけ確認します。

月間アクティブユーザー数

まず、RazerのMAU(月間アクティブユーザー数)は、前年同期比51.4%増の素晴らしい成果です。昨年の巣ごもり需要の反動を受けず、今もび続けています。

売上高

次に、売上は前年比68%増の7.52億ドルでした。またしても過去最高を記録しました。売上構成は9割がハードウェア収益です。残り1割はフィンテックなどのサービス収益です。

整理すると以下のような成長となりました。

※単位:米ドル前期中間当期中間
ハードウェア部門3.82億6.77億
サービス部門6400万7280万

純利益

Razerの最終損益は、前期中間が約1770万ドルの損失だったのに対し、当期中間は約3130万です。黒字転換して間もないので、黒字化後にどのくらい伸びたかどうかは、前期本決算の数字と比較する必要があります。それが以下です。

※単位:米ドル前期当期中間変化
純利益80万3130万+3050万

既に3050万ドルの黒字なので、これは通期でも期待できますね。

決算で重要なのは数字のインパクトです。投資家は想像を超えた数字を見た時にリスクを取りたくなります。

2月の前期本決算時は黒字転換だったので、変化率は赤字からの変化ということで変化率を出せませんでした。しかし、黒字から黒字の変化率は可能ですよね。つまり、次の本決算(来年2月頃発表)の変化率はとても重要になります。

Razerの決算をここまで追ってきている身としては、凄い数字が出ることはわかりきっているのですが、流動性を見ても決算を追っている人の方が少ないので、そのインパクトに期待して保有量を増していきます。

Razerの株価評価

以下がRazer(01337.HK)の株価です。

※2021年8月30日 01337.HK

直近では大きく調整していますね。以前、黒字転換を達成したことで、経営陣が一部株式の現金化し、そこに中国IT関連株の下落が重なり下落しましたが、特に問題なさそうです。

Razerは、僕の中長期投資スタイルにぴったりとハマる銘柄です。赤字から黒字になったばかりで、黒字化したことでこれからさらに力をつけていく段階と見ていいでしょう。

それに同社の株価が割安であることは明らかです。ここまで過小評価されてきました。

※大事なことなので先に言っておきますが、この銘柄に関してはPERなど利益指標で割安度を測ってはいけません。なぜなら、まだ黒字化したばかりだからです。当然割高という結果がでます。私たち投資家が見るべきは今ではなく未来であることを忘れないでください。

しかし、株価の評価と実態が乖離することはよくあることで、中には長期間正当な評価がされないままの企業も少なくありません。

そのため、注目するべきポイントは注目度の上昇流動性の変化です。特に流動性は株式投資において超重要です。これは投資する段階で高ければ良いというわけでもありません。流動性の増減の変化を意識して仕込むことが重要だと思います。

流動性の重要性については、海外のリサーチ会社のスマートベータ分析によって、その有効性は証明されています(日本のみ非有効)。1987年から2013年まで26年間の各国の株式において、流動性の高いグループと低いグループに分けてシャープレシオを算出したデータがあります(諸般の理由により個人ではデータをすべて開示できません)。

※シャープレシオとは、リスクに対してリターンがどれくらいかを測る指標です。シャープレシオの数値が高いほどリターンが高いことを表します。

それを見ると、流動性の低いグループでは、ボラティリティは高く、シャープレシオは0.23、平均リターンが9%確保できるという結果が出ています。ただし、流動性の高いグループでは、シャープレシオは0.65で、12.1%の平均リターンを得られるという結果も出ているため、今後のRazerの時価総額の成長を注目して見ていく必要があります。

今回明らかになったRazerの米国株式市場への重複上場が実現すれば、同社への期待は米国の個人と機関からも集まり、流動性は高まると考えています。

ちなみに、現在すでに米国ではOTC取引[RAZFF.US]で機関投資家が売買できます。

※2021年8月30日 RAZFF.US(OTC)

また、今回の報道によって、既に香港と米国の一部機関投資家の中で動きがあるでしょう。そのため、Razerの株価で大局で上昇に転じると見ています。

今後もRazerから目が離せません。ではごきげんよう。

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