香港株

なぜアリババ、テンセント、バイドゥーは、香港に上場するのか?

中国企業には、上海証券取引所や深セン証券取引所という中国本土のA株市場(証券取引所)が用意されています。しかし、アリババやテンセント、バイドゥなどの中国を代表するビッグ企業は、香港証券取引所に上場しています。

なぜわざわざ中国本土市場ではなく香港市場を選ぶのでしょうか?

実は、そこにはいくつもの大きな理由がありました。

中国企業を分析する上で最も重要な要素は、「 その企業がビジネスをする上で何に重きを置いているかを知ること 」です。そして、中国企業にとって、香港への上場はビジネスの発展のために欠かせないものなのです。

なので今回は、中国企業が香港市場に上場するメリットをわかりやすく解説しました。最後までじっくり読むと、今後の中国株・香港株の分析に活かせます。

ではいきます!

中国企業が香港株市場へ上場したがる理由

さて、余計な前置きは抜きにしていきなり本題です。なぜ、中国企業は香港へ上場したがるのでしょうか?

中国企業が香港へ上場することにはメリットがあります。まず、香港証券取引所は、企業にとって自由度が高い市場ということを覚えておいてください。

例えば、香港証券取引所は、利益の出ていないバイオテクノロジー企業や、海外に上場している革新的な企業が上場することを許可しているところが特徴です。

そして、以下の6つの上場メリットが香港の株式市場にはあります。

  1. 効率的で高速
  2. 上場に必要な市場価値が小さい
  3. ロックアップ期間が短い
  4. 資金調達の利便性が良い
  5. 国際的な影響力を拡大できる
  6. 合併・買収の利便性が良い

順番に説明しますね。

効率的で高速

香港市場は、政府による政策介入の対象が少ないことから中国系企業に好まれます。規制が明確ですし、政策も透明で承認を得るのが本土のA株市場に比べ容易です。

そして、特にメリットとして大きいのが、通常、上場プロセスが6~12ヶ月以内に完了できるという点です。A株市場への上場には何年も時間を要することがあります。

上場に必要な市場価値が小さい

そして、深センA株市場に上場するには、上場前の直近の会計年度の収益が、少なくとも20億HKD(香港ドル)以上必要です。対して、香港市場に上場するには、メインボードで5億HKD以上で済みます。必要な収益は4分の1です。

そのため、中国版Appleを目指すシャオミ(小米科技)や大手デリバリーサービスのメイトゥアン(美団)なども早い段階で香港への上場を果たしました。そしてバイオテクノロジー分野で、まだ利益の出ていない研究開発段階の企業も上場できたりします。

ロックアップ期間が短い

また、香港市場ではロックアップ期間が短いです。

たとえば、中国本土に上場する場合は、支配株主の株式は上場後36ヶ月間ロックされます。しかし香港に上場する場合は、利害関係者のロックアップ期間は6ヶ月間だけです。そりゃ会社や上場に関わる利害関係者にとってロックアップ期間の短い香港市場は好まれますよね。

ただ、これは個人投資家にとっては少し厄介かもしれませんね。なぜなら、ロックアップ期間が終われば、支配株主が数%分売るだけでも大きく下落する可能性があるからです。

資金調達の利便性が良い

そして、香港に上場した場合、融資などの資金調達も容易にできます。上場後6ヶ月経てば取締役会の決議によって、エクイティファイナンスを実行できます。エクイティファイナンスとは、公募増資、第三者割当増資、株主割当て増資、転換社債型新株予約権付社債など様々あります。

さらに、新株の追加発行、転換社債、ワラント、高利債、レバレッジド・ファイナンスなど、他にも様々な資金調達方法を実行できる点もメリットです。つまり資金調達の手段が豊富ということです。

香港市場は、世界の投資家が見ているので活況があり、資金調達環境が良いです。この制度は企業にとっても利便性が良く、個人投資家にとっても、多くの投資家が参加する場なので参加メリットはあるといえるでしょう。

国際的な影響力を拡大できる

それだけではありません、香港株式市場は比較的グローバルな市場でもあるため、世界に会社の名前やサービスを発信したい企業にとってメリットがあります。

合併・買収の利便性が良い

さらに、香港市場はM&Aツールとしても使われます。つまり、香港証券取引所というプラットフォームを利用して国際的な買収や合併を行えるのです。しかもA株市場のように承認はいりません。行政の承認なしに実行できます。

まとめ

以上が、香港市場に上場するメリットです。そりゃあ中国企業がこぞって上場するわけですよね。今後も中国の魅力的な企業が香港へ上場すると思うので要チェックです。