マクロ経済

新型コロナ変異種の拡散で注目するべきポイント

2020年12月26日、日本政府は新型コロナウイルスの変異種の感染拡大を受け、全世界からの新規入国を拒否することを発表しました。

ここからまず考えなければならないのは、金融相場ではなく、実体経済への影響です。コロナウイルスで重要だったことは、人がストップしたことで実体経済に影響を与え、金融ショックへと繋がりました。

そこで、今回は、2020年2月から始まったコロナショックについて復習をし、その後、今後の注目するポイントについてお伝えします。

ではいきます!

コロナショックはどのようにして起きたか

まずは、コロナショックの振り返りをしましょう。これは今後の展開を見ていく上でも欠かせない点となります。振り返りの際に見るべきポイントは以下の2つです。

コロナショックでは、人・モノの移動が止まったことが経済への打撃に繋がりました。もちろんその根本的な原因はウイルスの拡散ですが、振り返ってみれば、ウイルスの拡散から派生する現象について予測する力が求められたと思います。

ではその「人」と「モノ」の動きが止まるということについてどのようにして理解すれば良いのか、これから順番に解説していきますね。

コロナの影響①:人が止まる

まずはじめに、コロナショック前の1月24日に僕は以下のツイートをしました。

その後どうなったかは読者の方はお分かりかと思いますが、一応、上記ツイートの1月24日時点の日経平均とドル円チャートで確認をしておきましょう。

2020年1月24日の日経平均株価
2020年1月24日のドル円

おわかりいただけましたか?

「人が止まること」は大きな先行指標になり得るということです。これは経済がどうやって成り立っているかという基礎知識さえ身につけていれば、誰でも簡単に警戒できることでした。

実際に、外出自粛やロックダウンとなったことで、多くの大手チェーンストアが店舗閉鎖に追いやられ、キャッシュの少ない企業は倒産しました。

上のチャートで暴落前に一時ドル円に資金が一瞬集まった理由は、通貨の中でもドルは信用されているからです。ですが、その後資金はより逃避先として使われる円やゴールドに向かうことになります。これはタイミングを図るのは理屈ではかなり難易度が高いです。一般的に金融ショックや不況下においては円高、ゴールド高傾向が強くなります。

また、これらを金融市場を先読みする上では、金融相場だけを見ていては到底予測などできません。金融の市場原理とは別に、実体経済についても想像しなければなりません。

経済の基本原理として考えなければならないのは、僕たち人間は人間のために日々コミュニケーションを取りながら経済を成立させています。それは現代ではグローバルの規模で行われており、先進国との結びつきは非常に強いものとなっています。

特に日本は中国からの輸入は多いですし、日本を代表する大企業は輸出で稼いでいます。世界中の工場や支店が身動き取れなくなったら実体経済にダメージが生じますよね。人が止まるということはそういうことなのです。実際は、その想像の域を遥かに越え、世界中で外出自粛やロックダウンなどによって、国内の人の流れも止まってしまいました。

そして、人が止まったとなれば、次はモノに影響が出ます。

コロナの影響②:モノが止まる

さて、僕はそれから5日後の2020年1月29日に以下のツイートをしました。

人が止まるということは船舶、航空、運輸などが停止するということです。さらに工場やお店も閉鎖し、その結果モノの移動が止まります。実体経済へ著しくマイナスの影響が出ますよね。

上のツイートにも出てくる「サプライチェーン」についても理解が必要です。サプライチェーンとは、教科書的な言葉で説明すると、原材料の調達→製造→配送→販売→消費の一連の流れを指します。どれか一つでも止まれば経済へ影響します。もちろん、これも経済の基本原理のため、しっかり頭に入れておいてくださいね。

そして、上のツイートから数日後の2月4日に衝撃のニュースが飛んできます。

このツイートは、韓国の代表的な自動車企業である現代自動車が、中国からの部品が不足したことで工場を停止したという報道を引用したものです。

当時、僕がネットで日本語、中国語、韓国語、英語、ロシア語でニュースを確認した限りでは、この現代自動車のニュースがサプライチェーンへ影響した初めての例でした。

これは非常に大きな先行指標になるのですが、当時はSNSでもニュース記事でもサプライチェーンに関して話題に上がっていませんでした。もちろん僕は、上のツイートにもあるように指数ETFや指数への寄与度の大きな株式などの売却を進めました。

その後の日経平均株価、S&P500は以下のような推移となりました。

ただ、3月中旬からは各国中銀による過去最大規模のQE(量的金融緩和)や経済対策が打ち出されたため、乱高下しました。

中長期的に読むことはかなり難易度が高かったように感じました。

なので、何か世の中で大きな事件が起きている時は、情報に踊らされず一旦冷静になり、大局を見る必要があります。くれぐれも大量に流れてくるインフルエンサーやニュースの情報に踊らされてはいけません。

そして、このような相場では、株やFXをやってる人は過度なレバレッジは抑えるべきです。ただ、レバレッジをかけて大きく稼ぐ人もいます。もし稼げるとするなら、画面に張り付ける人で、かつスポーツマン並の直感と動体視力、思考の切り替えによって上手に乗れきれた時でしょう。

僕も専業投資をしていた2015年のチャイナショックやその前の乱高下では、株、先物でたまたま上手く立ち回れ、ショートでも稼ぎましたが、その時はアドレナリンが出っぱなしで夜も眠れませんでした。コロナショックでは回避に重きを起き、FRBの無制限QE後にちょこちょこ仕込んでいくという作業でした。リスクのとり方は人それぞれですので自己責任で。

以上で、「コロナショックがどのようにして起きたか」の振り返りはおしまいです。

コロナ変異種の拡散で注目するべきこと

さて、この章でタイトル回収をしていきます。

英国のマット・ハンコック保健大臣の発言が世界を震撼させた変異種の感染拡大ですが、各地の報道を受け、日本政府も全世界の新規の入国拒否を発表しました。

コロナショックは再びやってくるのか?今後の売買戦略 ここ数日、新型コロナウイルスの変異種の感染拡大に頭を悩ませています。今後の中長期的な資産運用判断の大きな懸念材料になっているのです。 ...

ここまで読んできた方はもう理解していると思います。言うまでもなく人が止まります。物流は完全には止まらないにしても荷積み・荷降ろしは遅れるでしょう。

日本政府はこの規制は1月末までと言っています。それで何事もなく感染者数が減ればいいのですが、ワクチンが後回しにされている以上は、感染者激減の期待はできません。

世間の空気は感染者が増えても経済が回るという認識です。本当にそうでしょうか?たしかにデジタル系のIT分野は巣ごもり需要の高まりによって売上が増加すると見られています。

しかし、油断は絶対にしてはいけません。実体経済に無風なわけがありません。中国や台湾、米国からの部品や部品を作るための機械が調達できなかったり、食品の原材料が調達できず別の業者に頼むしかなく、原価率が上昇することも考えられます。原価率が上昇すれば利益は圧迫されます。

ちなみに、株式市場だけでなく金融相場ではすでに大きな変化が起きています。

コロナショック以降、コーンや大豆、コットンの価格が上昇を継続しているので、今後の動きに注目が集まります。以下を見てください。

はじめはパニックで下落していましたが、世界中の国々がこれらを必要としており、輸出がスムーズにいかないことから値上がりを続けています。

コーンは米国と中国が世界の生産の半分を占めています。大豆は、米国とブラジル、アルゼンチンが世界の生産・輸出の半分以上を占めています。輸入は中国がトップです。コットンはインドと中国が生産の多くを占めています。

平時では、これらは安定して売買されることで物価は安定しています。ところが国家間の物流に支障が出てくれば価格は高騰していきます。

例えば、最近では、アルゼンチンの港で、労働者のストライキが起きており輸出が停滞しています。それが大豆の高値更新の大きな理由です。もちろん世界的な天候不順も手伝ってくれています。積極的に売買していきたい対象です。

僕は常に世界のどこかにチャンスがあると考えています。そのチャンスのある市場を見つけ、投資や投機をすることが金融相場で効率良く稼ぐコツだと考えています。一方で、動かない国の株や通貨に固執することは時間の無駄遣いだと考えています。もちろん、全てにおいてそうは考えていません。投資は時間をかけて成長を待つこともありますから。ただし、それだけでは効率が悪いということです。

また、このような情勢では、コモディティを先物取引やCFDなどで扱ってもいいですし、コモディティ相場から株式投資に活かすこともできます。また、国内の物価高騰による国内景気の流れも掴んで物品の売買などもできるでしょう。

冷静に分析さえすれば誰にでもチャンスはあるのが金融市場の面白いところです。もちろん、投資や投機をするからには徹底的に調べてください。そうでないと市場でカモになってしまいますからね!

さて、最後にコロナ関連の情報をどうやって掴んでいるか知りたい方のために、おすすめの情報源をお伝えします。

コロナ関連のオススメ情報媒体

沢山フォローする必要はありませんが、これくらいは見ておくと早めに察知できるかも、という情報源を紹介します。それが以下の3つです。

  • NewsDigest
  • The COVID Tracking Project
  • ブルームバーグ(できれば英語版)

国内感染者の日々の推移を確認するなら、『NewsDigest』というアプリの通知がとても早いのでオススメです。https://app.newsdigest.jp/

また、米国の州レベルの感染者・死亡者の確認については「The COVID Tracking Project」のツイッターアカウントをオススメします。

ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマンもコチラを参考にしていましたね。僕も米国の感染者数の細かい推移を把握するために見ています。

そして、サプライチェーンに関しての確認はブルームバーグをおすすめします。

ブルームバーグは、できれば英語版を見てください。なぜなら、日本語発信されるまでラグがあり、全記事は翻訳されないからです。ツイッターなら翻訳機能がついているので、英語が苦手だからといって、臆病にならないでくださいね!

それでは、ごきげんよう!