暗号通貨

[第3回] 暗号通貨浸透の先にあるもの

暗号通貨のおさらい

僕が2015年に初めてビットコインを購入した際は、投資家で暗号通貨の話をする人は誰もいませんでした。少なくとも僕の周りの投資家では。しかし翌年2016年になり「ブロックチェーン」というキーワードで日本の株式市場で話題になりました。

これが一般投資家に注目させるキッカケとなりました。それまでは半減期相場でいくら乱高下しても見向きもされませんでした。メディアも勉強不足だったのでしょうか、ほとんど報道されませんでした。

さらにそこから価格が上昇し続け、2017年の年明け直ぐに1000ドルを回復。国内ではVALUで一気に素人層にまで認知されるようになりました。ニュースやYouTuber、インフルエンサーらが煽ることで話題性が突然大きなものになったわけです。今では10,000ドル超です。僕個人が観測してからは2年の歳月がかかりました。その恩恵は語るまでもありません。

今では呼び方も色々あります。日本ではなぜか仮想通貨という呼び方が主流です。しかし世界では暗号通貨でほぼ統一されています。

また、電子マネーは一般的に先払い方式で債務債権関係があり、上の3つの概念とはまた違います。

マイニングの現状

さて、今回はさらに向こう側の未来を見てみましょう。

前回の『[第2回] 暗号通貨浸透の先にあるもの』を書いてから4ヶ月が経ちました。状況に変化がありましたので少しだけ補足(アップデート)しようと思います。

[第2回] 暗号通貨浸透の先にあるもの https://cbdc.tokyo.jp/index.php/2017/03/13/1-10/ 暗号通貨の世界にはいくつかのブ...

まず、マイニングは電気代の安い国(中国、ロシア)が依然として強く、中国においては規制のしようがないので続けられています。ロシアでも新たな投資を呼び込んだり、観光分野に利用する名目からマイニング分野に政府が乗り出そうとしています。もはや電気代が相対的に高い日本国では太刀打ちができません

例えるなら、日本国内で高い人件費で生産するより、同じ技術で中国の工場で安い人件費で作ったものを日本に輸入する方が安いといった感じでしょうか。なので、日本国内でマイニングの恩恵を得られるとしたら少なくとも大企業になるでしょう。マイニングで得た収益を暗号通貨関連事業と関連させて効率よく回せる立場なので。

ここまでで、お気づきの読者の方もいるかと思います。今まで暗号通貨市場のみで完結されていたものが、現在は企業が暗号通貨に関わることで実社会への影響力が拡大しているということです。言い換えれば、表社会と裏金融市場との結びつきが強くなってきているということです。

ということは、もし暗号通貨市場が暴落すれば暗号通貨関連株も暴落し、それが日経平均の寄与度の高い大企業であればどうなることは想像に難くないです。しかし、これはまだ少し先の話になるでしょうし、このまま進めばという話です。


国家と個人の関係

次に、国家と個人の関係の話です。

結論からいえば、所詮個人は選択はできても国家に逆らうことはできない。ということです。個人が国家を超えて金銭的な自由を手に入れることはとてもハードルの高いことなのです。

我々は、暗号通貨を使い政府の影響を受けずお金の自由を手に入れられるのでは、そう思う方も少なくないでしょう。しかしそれは大きな間違いです。それはなぜなのでしょうか。

答えは、日本政府はビットコインなどの暗号通貨を管理・コントロールできないのであれば、独自の自国暗号通貨を発行するからです。そして僕たちが日本人である限りそれに逆らうことは絶対にできません。

分かりやすい例として、資産家の海外移住の話があります。

日本は属地主義であるため、国外で財産を受け取っても原則として課税対象にはなりません。政府が定めたその条件はかつては1年間の海外移住でした。それが法改正がされ5年間に変わりました。しかし現在では10年間にまで延ばされました。これにより10年以内に日本に戻ってきたら課税しなければならなくなりました。5年だと思って移住した人は決断が迫られる状況になったのです。このように、国家は個人に対して規制を敷きます。日本(日本語圏)に住み続けたい人たちはその枠組の中でルールに従って生活するしかないのです

もし国家が独自の暗号通貨を発行するなら、マイナンバー制度のように、収入、支出、資産、税、保険、年金、社会保障などは国家発行の暗号通貨を通じてすべて管理されるようになるでしょう。ブロックチェーンを噛ませることでコストは大幅にダウンします(さらにそこではAIも活躍します)。手続きは自動化され、時間短縮で効率的社会が実現されます。これはSFではありません。それを早速行おうとしているのがロシアです。あらゆる分野に活用しようと考えています。日本がこの分野で最先端になれない理由は政治的なトップダウンがあまりにも弱いからです。良くも悪くもスピードが遅いのです。独裁国家がこの分野では最先端になれるでしょう。

最終的に、トークンとしての技術は応用され、国家によって発行された通貨に組み込まれる可能性はありながらも、ビットコインやアルトコインが通貨としての価値を保ち続けるというのは疑問が残ります。個人が持つ理由がなくなるので投機対象というだけの存在になる可能性があります。

また、貿易の観点から国家にとって暗号通貨を独自に発行するメリットというものもあります。それについてはまた時期を迎えたら書こうと思います。