暗号通貨

ブロックチェーンという名のP2P革命

※この記事は2015年10月15日に書いた記事です。

 昨今、一部を騒がせているビットコイン(bitcoin)という仮想通貨をご存じでしょうか。

 ビットコインとは、サトシ・ナカモト(日本人)が公開した論文から始まり、2009年に運用が開始された仮想通貨です。

これまで、何十何百という仮想通貨が生まれてきましたが、ここまで可能性を秘めた通貨というのもまた珍しいと僕は思います。

原論文:https://bitcoin.org/bitcoin.pdf

 しかし、世界、取り分け我が国では、未だそれに怪しさを感じて寄せ付けない空気があります。その原因は主に3つ。

  1. 『仕組みを理解していないから』
    どんなシステムかを理解せずして信用など生まれません。
  2. 『法が整備されていないから』
    法の有無は市場の安定と監視に繋がり、結果的に信用を生み出すのです。
  3. 『使う必要性を感じないから』
    これは言うまでもなく、我が国に住む人々が、日銀が発行した政府のお墨付きがある日本円と、前払方式の電子マネー(Suica等の電子決済)で満足しているからです。だから関心も生まれないのです。

 では、順を追って説明ましょう。

ブロックチェーンの仕組みの理解

①の『仕組みの理解』ですが、まず、ビットコインはブロックチェーン(blockchain)という技術に守られています。ここでは数理的・暗号学的な説明はあえて避け、簡単に解説します。

このブロックチェーン技術の下では、発行者との間に政府やそれに準ずる機関が入らず、無政府状態で全ての取引を行えます。そして、その取引はログという形でオープンに記録され参加者同士で監視し合う形になっています。

何よりも重要な点は、P2P(ピアツーピア;Peer to Peer)技術を採用しており、取引の間に第三者のサーバーを介さないため、相手と直接取引が可能となることです。このP2P技術は、我々の身近なツールでは、Skypeが有名です。

Skypeは、マイクロソフトに買収され、モバイル通信が意識された結果、現在ではサーバー式が導入され、P2P方式は取られなくなっています。

ブロックチェーン技術を用いた仮想通貨は、金融大手Citiなども研究開発を進めており、『CitiCoin』という通貨を作るとの話も出てきています。

法整備

②の『法整備ができていない点』ですが、人々に怖いイメージを持たせた報道で、日本のビットコイン取引所であったマウントゴックス(Mt.gox)CEOの逮捕と破綻が挙げられます。容疑は電磁的記録不正作出・供用。お金を着服したということです(追記:ハッキングをした真犯人は海外で逮捕されました)。

この報道により、一気に空気は変わり、世間の寄せ付けない感情は強まったといえるでしょう。しかしながら、水面下では官界とビットコインビジネスを展開する民間との間で交流が進んでいるため、来年以降、国会に法案が提出され可決されるでしょう。それにより、さらに身近な存在となってその姿を見ることになるだろうと、僕からはその可能性のみを示唆しておくとします。

<追記>16年3月4日、政府は仮想通貨規制法(銀行法等の一部の改正)を閣議決定しました。
関連記事:日本政府、仮想通貨法の規制案を閣議決定

ブロックチェーンを使う必要性

最後の③『使う必要性』についてです。
日本では「高齢者のタンス預金」という言葉も、つい数年前まで日常的に使われていたように、長らく続いた円高デフレの感覚が国民に浸透しており、自国通貨(日本円)への信頼は強いです。

さらにいえば、人々が日銀という発行者はどんなに国債(借金)を刷っても倒産しないと思っているからです

これは議論の余地があるのですが、今の日銀下で行われている量的緩和政策が過度にいきすぎない限り、円への信認はある程度は保たれるとは考えます。ただ、人為的な円安から株高へ持っていく施策は、既に一線を越えてしまった…つまり、後戻りはできないと僕は考えています

そこで海外に目を向けてみると、デフォルト(債務不履行)宣言をしたギリシャや、その周辺に点在する緊縮財政が政治に求められている国などでは、一部の人々がビットコインへの資金のシフトをしており、使える場も日本と比べ多いです。これは、彼らがユーロという通貨を信用していないことを意味しま。最近では海外の大学でも積極的に仮想通貨の学術的視点を取り入れるところが出てきました。

現在では、MITが施設内にビットコイン交換機を配置、スタンフォード大でも学術的な側面から技術を学ぶ専門コースが開設されています。

以上のような理由があっても、日本で使われる日が来るとするなら、それはショッピングでの幅広い決済や、訪日外国人向け決済、そして運用や金融仲介業務を目的としたビジネスの発展によるものでしょう。

さらには僕が研究している際に、幾つかこのシステムの上手く利用すべき点と抜け穴を見つけたので機会があれば記載しようと考えています。

今後、ビットコインは国家にとって見逃せないものにまで発展するので、その時をただ待とうと考えています。

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